アイルランド・ダブリン滞在3日目。
前日は街の雰囲気を掴むのがメインでしたが、今日はダブリンの歴史の核心に触れる「教会・城・美術館」を凝縮して巡る1日です。
ダブリンの主要観光スポットは市街地中心部にギュッと集まっているため、基本的には徒歩で回ることが可能です。
今回私たちが実際に歩いたルートと、各スポットの見どころ、そして効率的な回り方を詳しく解説します。これからダブリンを訪れる方の参考になれば幸いです。
1. ダブリンの歴史を歩いて巡る
ホテルを出発し、まずは街の南西に位置する歴史的エリアへ向かいます。
このエリアには重要文化財が密集しており、徒歩10分圏内で移動できるのが魅力です。
聖パトリック大聖堂(St. Patrick’s Cathedral)

アイルランド最大の教会であり、アイルランドの守護聖人パトリックを祀っているのがこちら。
1191年に建てられたこの大聖堂は、イギリス・ゴシック様式の重厚な外観が特徴です。
内部に一歩足を踏み入れると、高い天井と床一面に敷き詰められた美しいタイルに圧倒されます。
【歴史解説】アイルランドの守護聖人「聖パトリック」とその伝説
アイルランドを旅すると、至る所で目にする緑色のシンボルや「パトリック」の名。
アイルランドの守護聖人である聖パトリック(St. Patrick)は、この国の宗教、文化、そしてアイデンティティの根幹を築いた人物です。
1. 波乱万丈な生涯:奴隷から宣教師へ
意外なことに、聖パトリックはアイルランド生まれではありません。
4世紀末にローマ領ブリテン(現在のイギリス)で生まれましたが、16歳の時にアイルランドの海賊に誘拐され、奴隷として連れてこられました。
- 過酷な奴隷時代: 数年間、アイルランドの山中で羊飼いとして孤独な生活を送りました。この苦難の中で彼は信仰に目覚めたと言われています。
- 脱出と帰還: 神のお告げに従って脱出に成功し、故郷に戻って司祭となりました。しかし、再び神の声を聞き、自分を奴隷にしたアイルランドの人々に福音を伝えるため、宣教師として再び海を渡る決意をしました。
2. シャムロックと「三位一体」の教え
聖パトリックの最も有名な伝説の一つが、アイルランドの国花である「シャムロック(三つ葉のクローバー)」を使った布教活動です。
当時のアイルランドの人々に、キリスト教の難解な教えである「三位一体(父と子と聖霊がひとつの神であること)」を説明するために、一本の茎から三つの葉が出るシャムロックを手に取って説いたとされています。
これが由来となり、今でもシャムロックはアイルランドの象徴となり、彼の祝日には街中が緑色に染まるようになりました。
3. 蛇を追い出した伝説と数々の功績
「聖パトリックがアイルランドからすべての蛇を追い出した」という有名な伝説がありますが、実際には氷河期以降のアイルランドに蛇は生息していなかったと言われています。
この「蛇」は、当時信仰されていた異教(ドルイド教など)の象徴であり、彼がキリスト教を広めることで古い信仰を塗り替えたことを比喩的に表していると考えられています。
彼は30年以上にわたる布教活動で300以上の教会を建て、10万人以上の人々を改宗させたと言われ、アイルランド・キリスト教の父として崇められています。
4. セント・パトリックス・デー(3月17日)
彼の命日とされる3月17日は「セント・パトリックス・デー」として、世界中で盛大にお祝いされます。
アイルランドでは最大の祝祭日であり、パレードが行われ、パブでは緑色のビールが振る舞われます。
この日は「誰でもアイリッシュになれる日」として、国境を越えて愛されています。
旅のチェックポイント:
「聖コロンバ大聖堂」や、北アイルランドの各地にも彼ゆかりの地が多く点在しています。特に北アイルランドのダウンパトリックには、彼の墓とされる場所があるセント・パトリック大聖堂があり、巡礼地として知られています。


ダブリン城(Dublin Castle)

聖パトリック大聖堂から徒歩10分ほどで、ダブリン城に到着します。
「城」という名前から中世の要塞をイメージしがちですが、実際には18世紀に再建された宮殿のような外観をしています。
ここはかつてイギリスによるアイルランド統治の拠点であり、現在は政府の公式行事が行われる場所です。
内部を見学するにはガイドツアーへの参加か、セルフガイドのチケット購入が必要です。
特に「ステート・アパートメント」の豪華なシャンデリアや天井画は、ヨーロッパの他の王宮にも引けを取らない美しさ。
一方で、地下にはバイキング時代の防壁跡も残っており、この街が積み重ねてきた歴史の層を肌で感じることができます。

クライストチャーチ大聖堂(Christ Church Cathedral)

ダブリン城のすぐそばにあるのが、街で最も古い建物の一つ、クライストチャーチ大聖堂です。
ここの最大の特徴は、アイルランド最大級の「クリプト(地下聖堂)」です。
地下に降りると、ひんやりとした空気の中に古い彫像や歴史的な宝物が展示されています。
中でも有名なのが、1860年頃にパイプオルガンの中で発見されたという「ミイラ化した猫とネズミ」。
追いかけっこをしたまま閉じ込められてしまった姿は、少し不気味ですが、この教会の名物となっています。

2. アートと自然に触れる午後のひととき
歴史散策の後は、少し東へ移動して、落ち着いた文化的なエリアへ向かいます。
il Valentino Bakery & Cafe

お昼時間になったので近くのカフェに立ち寄りました。
Google mapの評価も高い落ち着いた雰囲気のカフェでした。

アイルランド国立美術館(National Gallery of Ireland)

ダブリン観光で外せないのが、この国立美術館です。
驚くべきことに、これだけのコレクションを誇りながら常設展は入館無料です(特別展は有料)。
- カラヴァッジョ『キリストの捕縛』:長年行方不明とされていた名作がダブリンで発見されたというドラマチックな経緯を持つ作品です。
- フェルメール『手紙を書く婦人と召使い』:世界に30点ほどしかない真作の一つを、間近で鑑賞できます。
館内は非常に静かで、過去のイタリア旅行で訪れた美術館の混雑ぶりとは対照的に、一枚一枚の絵画とゆっくり向き合うことができました。
美術に詳しくなくても、この静謐な空間に身を置くだけで価値があります。

セント・スティーブンス・グリーン公園(St. Stephen’s Green)

美術館から歩いてすぐ、街の目抜き通りであるグラフトン通りの終点にあるのが、この広大な公園です。
17世紀から続くこの場所は、現在は市民の憩いの場となっています。
池には白鳥やカモが泳ぎ、丁寧に手入れされた花壇が四季折々の美しさを見せてくれます。
アイルランドの天気は移ろいやすいですが、晴れ間が出た時のこの公園の輝きは格別。ベンチに座って行き交う人々を眺めていると、歩き通した足の疲れがスッと引いていくようでした。
3. ダブリンの夜を楽しむ:情熱のディナーと活気ある街並み

夕暮れ時になり、街はさらに活気を増していきます。2日目の締めくくりは、ダブリンらしい賑やかなエリアへ。
スペイン料理のレストラン「Salamanca」で夕食

アイルランド料理は美味しいのですが、数日続くと少し変化が欲しくなるもの。
この日の夕食は、地元の人々にも人気のスペイン料理店「Salamanca(サラマンカ)」を選びました。
セント・アンドリュース通りにあるこのお店は、非常に活気があり、本場スペインのバルを思わせる雰囲気。
ギネスビールに加えて、ワイン、タパスとどれも美味しく大満足の夕食となりました。

テンプルバーを歩いた後に2階建てのバスに乗ってホテルへ

食後は、アイリッシュパブの聖地テンプルバー(Temple Bar)エリアを散策。
どの店からも伝統音楽の生演奏が聞こえてき、ただ歩いているだけでそのエネルギーに圧倒されます。
赤い壁が象徴的な「The Temple Bar」の前は、世界中からの観光客で常に賑わっていました。

夜の散策を楽しんだ後は、ダブリン名物の2階建てバス(Dublin Bus)に乗ってホテルへ戻ります。
もし乗る機会があれば、2階の最前列を狙ってみてください。

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