公開日:2020年2月7日
最終更新日:2020年2月12日
私は駐在員として2017年にアメリカジョージア州に赴任しました。
これから同じように駐在員としてアメリカに来られる方、もしくは新しい生活の場をアメリカに移される方にとって少しでも参考になればということで、アメリカに発つまでの日本での準備事項についてまとめてみました。
金融関連手続き
銀行
ネットバンキングと通帳記帳
アメリカ渡航前にネットバンキングの準備もしくは通帳記帳をしておいてください。
というのもアメリカの確定申告では、日本で持っている全ての金融機関の残高(当年の最も多かった時の残高と12月31日時点の残高)を毎年報告する必要があります。
超低金利の日本ですので、アメリカ滞在中に金利が数万円も入ってくる方は多くないと思いますが、少なくとも渡航前にどの銀行でどれだけ残高があるかは認識しておかないと、確定申告の時にアメリカから親の助けや銀行に連絡してとバタバタすることになります。
最もよいのは全てネットバンキング対応して、家計簿アプリで口座連携しておけば、アメリカ渡航後も正確な残高が把握出来て便利です。
定期預金
駐在される方は通常3~5年くらいはアメリカ生活が続くことになります。
日本のお金はあまり動かさないことになると思いますので、超低金利ではありますが、どこかネット銀行の定期預金にでも移しておくのが良いかと思います。
海外送金
アメリカ渡航前ですので、多くの方はアメリカ側の銀行口座をまだ開設出来ていないはずですが、日本にいる間にアメリカ渡航後開設する口座に海外送金を出来る準備をしておくのが良いです。
給与形態や待遇は会社によってもちろん違いますので一概には言えませんが、私や私の周りの方の経験からアメリカ側の銀行口座残高が不十分な状態になることが考えられます。
その際に日本から海外送金をしないといけなくなりますが、日本国内での振込の様にポンと簡単に出来るものではありません。
特に近年はマネーロンダリング防止の観点から、海外送金は一層難しくなっています。
日本に残られるご家族や両親などが海外送金経験がある方なら良いですが、自分の日本の口座から自分のアメリカの口座への送金はほとんどの金融機関が行っていません。
私の場合は楽天銀行で準備しましたが、「TransferWise(トランスファーワイズ)」という海外送金サービスが手数料も安く便利な様です。
Union Bankの開設の検討
アメリカに赴任すると、早いうちに銀行口座を開設する必要があります。
通常これは渡航後にソーシャルセキュリティー(日本のマイナンバー)を取得してからの手続きとなります。
私は会社からの紹介もあり、Union Bankというカリフォルニア州の銀行口座を開設しました。
このUnion Bankですが、数年前から三菱UFJ銀行の傘下となっていることもあり、アメリカへ渡航前から手続きを始めることが出来ます。
手続きも渡航前、渡航後含めてほとんど日本語で手続きが出来る点も安心です。(日本語のコールセンターもあります。)
カリフォルニア州以外に住まれる方は支店が無いという心配があるかもしれませんが、私はジョージア州に2年半住んでいますが一度も支店が必要という場面に遭遇したことはありません。
ATMも多くの提携金融機関があり、引き出しに手数料がかかったこともありません。
とても便利な銀行ですので、これから渡航予定の方は検討対象に入れてみて下さい。
保険
生命保険
生命保険はまずそのまま継続するか、解約するかの判断がまずは必要です。
死亡・重度障害に対する保障や収入保障保険については、海外生活であっても継続されるかと思いますが、医療保険は見直しした方が良さそうです。
ただ、もちろんこれもアメリカ側での保険事情をよく確認してから判断しましょう。
アメリカは日本の健康保険制度(国民皆保険制度)がなく、医療機関は非常に高額な医療費がかかります。
例えば骨を折って治療したら20万円といった具合です。
いずれにしても一度保険会社に相談しましょう。
継続する場合でも居住地や住所変更などの手続きが必要です。
自動車保険
自動車は売却など処分されることが多いと思います。
ただ、本人と家族の赴任タイミングが違うなどの場合、解約の前に自動車保険の主契約者などの変更手続きが必要となります。
株式
1.株式
日本の証券会社のほぼ全ては、海外在住者の海外からの取引を認めていません。
ということで、泣く泣く私は全株式を売却しました。
ある証券会社では保有は可能という情報も聞きましたが、取引は出来ませんので
株価暴落・業績急下降などのリスクを抱えたまま数年間海外に行くのも不安でしたので、
私はすぱっと全株式を売却しました。
あとアメリカでの確定申告がややこしくならないか、ということも心配の1つでした。
2.投資信託
投資額は10万円ほどと少ないですが、これはそのまま放置して渡米しました。
2年経過しましたが問題ありません。
3.確定拠出年金
これは途中で引き出せるものでもありませんし、老後の資金準備ですので、もちろんそのまま日本で運用を続けています。
毎月の給与からの拠出も続いています。
自宅
賃貸の場合は早めにオーナー・管理会社に渡航予定時期を知らせて手続きの準備を始めましょう。
持ち家の場合は「売却」「賃貸」「空き家」のいずれかによって手続きが変わってきます。
渡航計画が決まっていなくても、仮スケジュールを元に早めに手続きを開始しましょう。
自動車
自動車の売却・名義変更
自動車を持っている方は多くは売却してから渡航となるでしょう。
ただ、自動車の場合も家族が後で赴任して、しばらく自動車が必要というケースも考えられます。
この場合は日本に残る家族が売却手続きが出来るように、名義人の切替といった手続きが必要となります。
「保険」の箇所でも記載しましたが、自動車保険の手続きも同様に必要です。
免許証
日本の自動車免許はアメリカに渡航後も必要です。
免許更新のタイミングを伸ばせますので、免許センターで手続きをします。
また同時に国際免許も取得しましょう。
アメリカ渡航後にアメリカの免許を取得するまでいずれも必要となります。
ビザ取得
駐在者の場合は会社がビザ取得のためのサポート会社を通じて手続きを進めてくれるということが多いかと思います。
ただ最終的にはアメリカ大使館(領事館)に行って面接を受けて、その後発行するという流れは同じです。
私もそうでしたが、「面接」と聞くと何を聞かれるのかと戦々恐々としてしまいますが、私たちはいたって簡単な質問ばかりでした。(しかも日本語で)
英会話
駐在者として、もしくは留学や移住でアメリカに行かれる方は英語が得意な方、好きな方が多いかと思います。
ただ、私は駐在者としてでしたが、渡航前のTOEICは500点台と低く、英会話にいたっては長年会社の英会話レッスンを受けていたものの、学生時代からの英語嫌いがたたって一向に成長していない状態で赴任をつげられました。
内示が告げられてから赴任までの約3ヶ月は社内で集中的にレッスンがありましたが、3ヶ月位でどうにかなるものでもありません。(基礎ができている方、意識が高い方は違うかもしれませんが・・・。)
そんな話を聞きたいわけではないかと思いますので、おすすめの英会話勉強方法3選です。
オンライン英会話
私の妻が渡航後に始めたのがこれです。
今や有名なオンライン英会話ですが、安くてとても勉強になるそうです。
「習うより慣れろ」英会話は筋トレと同じという方もいるように、毎日継続するのが一番の近道ですね。
あとオンライン英会話はフィリピン人の先生が多いそうですが、フィリピン人の方はみんなやさしいらしいです。
アメリカ人はこと英語に関してはネイティブですし、自分で外国語を勉強した経験がある人がほとんどいませんので、容赦なく早口で話してきます。
私のようなレベルで渡航すると、全く何を話しているのか聞こえない、言葉もつまり過ぎて全く会話にならない、という状況ですので、フィリピン人の方が仕事とはいえ、やさしく丁寧に話してくれたら、英会話が楽しいと思えるようになるかもしれません。
YouTube
これは主にヒアリングの練習ですが、今や数多くのYouTubeチャンネルで英語の勉強が出来ます。
中学生レベルの単語や文法での英会話、本場アメリカでのシチュエーション別の表現など、学校で習った英語とは全く異なる生きた英会話・英語レッスンが無料で受けれるのは、今を生きる人々の大きなメリットですね。
今や有名になりましたが、「バイリンガール英会話」がアメリカで生活する上でとても参考になる表現を多く取り上げてますのでおすすめです。(例:マクドナルドでのオーダー方法など)
Duo3.0
こちらも有名な単語帳ですが、英単語の丸暗記を行う単語帳ではなく、「えっ?そんな風に表現したらよいの?」といったように、一見難しい日本語表現を簡単な英語に変換している例文が数多く掲載されている英単語帳です。
私も含め受験英語を勉強してきた日本人の多くは、なかなかこの簡単な表現に変換して話すことが不得意な結果、会話がパッと出てこずに詰まってしまうのが英会話の苦手な原因の1つではないかと思っています。
このDuo3.0には「そんな難しい表現の日本語は英語で何て言ってよいかなんてすぐに分からない!」という表現がたくさん出てきます。それを比較的簡単な英語表現に変換するのですから、「へぇー」とうなる多くの例文が載っていて、比較的飽きのこない英単語帳かと思います。
海外で住むことは期待もありますが不安なことの方が多いと思います。
少しでも不安が払拭出来るように、先に経験した身から生の体験をお伝えしていければと思っています。