アメリカ社会で切っても切れないのが、自動車の運転です。
日本の都会では公共交通機関が発達しているため、自動車を保有していなくても生活に困りません。
ところがアメリカではニューヨークなど一部の大都会を除いて、自動車無しでは生活が成り立ちません。
一方日本人の女性はペーパードライバーという方も多いですが、いざアメリカで生活するとなると、買い物に行くのも、子供の送り迎えにも自動車は必須で、家族持ちの場合2台は必要となります。
この記事ではアメリカ生活に切っても切れない自動車に関する情報を書き留めたいと思います。
運転免許
車を運転するためには運転免許が必要です。
各州によって少し異なる点があるかと思いますが、大きな流れとして参考にして下さい。
国際免許の取得
アメリカ生活が決まったら、まずは渡航前に日本で国際免許を取得していきましょう。
アメリカ渡航後ソーシャルセキュリテー(日本のマイナンバーみたいな制度)の申請をしますが、それまではアメリカの運転免許を取得出来ません。
だからといって自動車に乗らずに生活は出来ません。
アメリカの自動車免許取得までの期間を国際免許で肩代わりしてもらうというわけです。
しかし、国際免許の期間の1年間これで運転出来るわけではなく、これは1ヶ月など限られた期間と各州で定められています。
そのためソーシャルセキュリテー番号を取得したら、次は運転免許の取得という流れになります。
アメリカの運転免許
日本では運転免許の取得には、高い費用で自動車学校に通って、テストを受けてパスしないと発行されませんが、アメリカでは自動車学校は必須ではありません。
私の住んでいるジョージア州では、パソコンでの筆記テストを受けて、それにパスすれば簡単な路上テストという流れでした。
ですので、まずはパソコンの筆記テストをパスすべく、自分で標識や交通ルールの勉強が必要です。
自習用のサイトやアプリもありますので、ここは正攻法で勉強するしかありません。
なおパソコンの筆記テストは時間制限は無く、場所によっては日本語表示があるところもあります。(ただ日本語の精度が悪く日本語の方が分かりづらいという問題もありました。)
路上テストは、助手席に職員の方が座り、まず免許センターの構内で駐車や簡単な操作の確認があり、その後実際の路上に出て言われたコースを運転するという流れです。
一時停止などの基本的な交通ルールが守れたら問題ないと思います。
1つ注意点として路上テストを受ける際、自動車保険の加入を事前にしておく必要があります。(おそらく筆記テストをパスした際に、その様に言われると思います。)
私達家族の場合は、私が先に赴任してレンタカーでしばらく生活していましたので、レンタカーの保険を提示しました。
妻の場合は、私が先に妻の分の自動車の購入と保険加入手続きもしていましたので、通常の自動車保険の加入証を提示という流れでした。
自動車保険
アメリカの自動車保険は大きく2段階に分かれています。
日本では対人・対物無制限という保険が主流ですが、アメリカでは通常の自動車保険のみでは補償が3千万円ほどと十分ではありません。
このため、追加の補償をするために「アンブレラ保険」というのがあります。
また、保険代が非常に高いのも特徴です。
乗る距離が長いため、事故率も高いのでしょうが、家族2台で2千ドルはします。(もちろん補償内容次第ですが)
事故や違反をすると翌年さらに値上がりします。
無事故・無違反でも州の事故率や乗っている車・クレジットスコアーによって値上がりします。
クレジットスコアーについては、またクレジットカードの記事に詳しく記載しようと思いますが、簡単に言えば信用力を各付けしたスコアーです。
有名なところでFICOという信用情報機関がありますが、その他にも複数の信用情報機関があります。
700点といった数字で表されます。
ガソリンスタンド
アメリカに住んでいるとガソリンスタンドはよく行く場所の1つです。(私は週1回は行きます)
ガソリンを給油するだけではなく、日本のコンビニの機能も合わせもっています。ATMもある所が多いです。
ただ、このガソリンスタンド、私も最初は慣れるまで数回経験が必要でした。
まずアメリカは全ての単位が違います。
ガソリンスタンドはリッター表示ではなく、ガロン表示です。(1ガロン=約3.8リッター)
下の写真では「Unlead」という表示が日本で言う「レギュラー」にあたりますので、「1ガロン=2.23ドル」ということですね。
日本の単位で言うと「1リッター=約63円」という値段です。
日本と比べるとかなり安いですね。
ただ、アメリカでは生活必需品ですし、乗る距離も圧倒的に長いですので、多くの方は毎月のガソリン代の出費はアメリカの方が多くなるはずです。
またほとんどのガソリンスタンドはセルフ式です。
私はアメリカに住んで2年半、未だセルフ式ではないガソリンスタンドに出会ったことがありません。
自分でポンプの横に車を止めて、ノズルを給油口に差し込んで給油します。
日本でも一般的になっていますので経験があれば、難なく出来ますが、もしペーパードライバーで給油を自分でした経験があまり無い方は、日本で何度か経験してからアメリカに行かれた方が無難と思います。
またガソリンの種類は3種類あります。
通常下の写真の様に数字で「87」「89」「93」といったように記載があります。
多くの自動車では「87」のUnleaded=レギュラーで良いかと思いますが、スポーツカーや高級車などは「89」「93」などの日本で言うハイオクを選択する必要があります。
あと気を付けないといけないのが、軽油(Diesel)とガソリン両方を給油できるパターンです。
アメリカでは軽油は緑色のノズルと決まっています。
ガソリンは黒色のノズルです。
最初にどれを給油するか選択してからノズルをあげますので間違う可能性は少ないと思いますが、最初は気をつけましょう。
もう1つだけ日本から来られたばかりの方の注意点として、日本で発行したクレジットカードはポンプのところにあるクレジットカードの読み取りの機械で処理出来ないことが多かったです。
この場合、先に店に入って「○番のポンプで給油したい」ということをキャッシャーで告げてから、ポンプに戻って給油するという順番になります。
慣れると簡単ですが、最初は戸惑うことが多くあるかと思います。
この記事を参考にして頂いて数をこなせば、すぐに慣れると思いますので頑張ってください!
自動車の購入
自動車の購入方法も日本と異なります。
事前に試乗を出来たりというのは同じですが、大きく異なるのは日本では仕様やオプションを選んで、数週間後に納車という流れですが、アメリカではディーラーにある在庫から選ぶという流れです。
そのため大きなディーラーの駐車場にとめてある車から好きな色や仕様、オプションの有無などから選択して、自分の好みにあう自動車が見つかれば契約して乗って帰るという流れです。
ディーラーのWebサイトにも在庫車の掲載がありますので、ディーラーに行く前に見ておくのが良いでしょう。
もちろんディーラーに在庫が無い場合などは取り寄せや納車待ちも出来ると思いますが、あまり一般的ではなさそうです。
値引き交渉は可能です。
またクレジットスコアーが蓄積されていれば、自動車ローンを組むことも可能です。
私の場合、2台目の車購入は赴任後6ヶ月位過ぎてましたので、自動車ローンの提案をディーラーから受けました。(その時点で700点位のクレジットスコアーでした。)
なぜか分かりませんが、ローンを組んだ場合さらに3千ドルの値引きの提案があり、金利も含めた総支払い額でもローンを組んだ方が安いとその場で計算してもらいましたので、2年間のローンをくみました。
あと日本と比べて中古車の値下がりが少ないと言われています。
もちろん車種によって異なりますが、中古車の値下がりが少ないということは、中古車の販売価格が高いということだと思い、私は2台とも新車を購入しました。
メンテナンス
自動車を長く安全に乗るためにはメンテナンスが必要です。
頻度
アメリカでは日本の様な車検がありません。
一方乗る距離は日本と比べて非常に長いです。
おのずとメンテナンスの頻度も多くなります。
特にエンジンオイルとエンジンオイルフィルターの交換は頻繁に行う必要があります。
もちろん乗る距離によりますが、あまり乗らない場合でも半年に1回位は交換した方が良いでしょう。
メンテナンスの場所
おすすめはディーラーです。
アメリカには多くのオイル屋さんがあり、手軽に安くオイル・フィルター交換が出来ます。
ただ、正規のディーラーではありませんので、オイルやフィルターの品質、自分の車との相性、サービスマンの技術力、保証などいろいろと気になる点はあります。
多くの場合は問題が無いでしょう。
ただ、私の場合は一度ドレンプラグの破損という事態にみまわれました。
ドレンプラグとはエンジンオイルを交換する際に開封するボルトの様なものですが、これを決められたトルク以上で閉めたからか、どれんプラグの頭がつぶれてしまった様で、次回オイル交換が出来なくなりました。
結局、オイル屋さんでは頭の潰れたドレンプラグを開ける特殊工具がないため開けれず、ディーラーに頼み込んで何とかドレンプラグを開けてもらい、無事オイル交換が出来たということがありました。
こういった経験からもオイル交換と言えど、ディーラーでの交換をおすすめします。
また、心配な値段についても、ディーラーで交換してもそんなに変わりません。
その他
税金
毎年の税金は日本に比べてとても安いです。
毎年誕生日に合わせて、税金の納付証が送られてきます。
20ドル程です。
クレジットカードや小切手で支払が出来ます。
支払い後しばらくして郵送でTAGという税金支払い証明となるシールが送られてきます。
このシールをナンバープレートに貼って完了です。
ナンバープレート
ナンバープレートは自動車契約時にディーラーが手続きして後日郵送で送られてきます。
州によって決まったデザインがありますが、有料で様々なデザインのナンバープレートを選択することが出来ます。
エミッションテスト
ジョージア州では3年以上前に製造された自動車のエミッションテストが必要です。
これは自動車の排気ガスのテストで、いろいろな所にあるエミッションセンターで測定してもらえます。
違反について
出来ればお世話になりたくない警察や罰金。
最も起きやすい違反の1つが「スピード違反」です。
アメリカ(ジョージア州)では、スピード違反は基本現行犯です。
つまり警察がハイウェイの側道などに停まって、対象となる車を取り締まっています。
もしスピード違反をしてしまった場合は、後ろから警察車両が青いランプをつけて追いかけて来ます。
日本の警察と違って、パトカーのスピーカーで「止まりなさい!」という警告はしません。
真後ろにつかれますので、その際はおとなしく路肩にとめて、窓を開け、両手をハンドルに置いて警察官が来るのを待ちましょう。
警察官はしばらくナンバープレートからいろいろと調べてからやってきますので、少し時間がかかります。
間違っても自分から外に出たり、警察官が来て何かを要求されても、慌ててダッシュボードから書類を出すことはやめましょう。(ゆっくりとした動きをすることが大切です。)
違反・罰金どころの騒ぎでは収まらない事態になる可能性があります。
また、もう1つ気を付けないといけないのが「スクールバス」です。
スクールバスは停車する際、黄色や赤色のランプを点灯させ、「STOP」という看板を運転席横から出します。
「STOP」という看板が出たら、絶対にスクールバスを追い越してはいけません。
後日郵送で高額の罰金の請求書が届きます。
ジョージア州では一度目は300USD、二度目は750USDという罰金の様です。
特に片側二車線以上ある道路では、前の車についていって思わずスクールバスに気づかず追い越すパターンもあります。
スクールバスが通る道、通る時間はいつも以上にスピードをゆるめて、スクールバスがいないか細心の注意を払いましょう。
以上がアメリカの自動車に関する情報です。
随時最新の情報や追加情報を掲載したいと思います。